2016年02月22日

現代DSPポケットラジオの製作

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前回の『ポケットレフレックスラジオの製作(ストリートシェイクダウン編)』で触れたとおり、自室ではなく移動しながらのモバイル活用ではAGC(自動利得調整)回路が無いトランジスタ ディスクリートラジオでは実用性に難がありました。

そこで、フルディスクリート回路からは一旦離れて、近頃ラジオを聴かない世代にも電子工作の巷では静かなブームであるDSPラジオを使い、実用性の高いモバイルポケットラジオを製作してみることにしました。

過日、入手難でアキバでも種類が限定されている中波用フェライトバーアンテナを探していて見つけたaitendoさんでDSPラジオモジュールやキットを販売されているのを横目で見ていたので、出掛けたついでに上の画像の『M6952』を買い求めました。

このaitendoさんというのは、バーアンテナだけで5種以上しかも国内でよく見かける製品とは全く違ったものをラインナップしていたり、リアル店舗(アキバというより末広町と御徒町の間にあります)では何故か小姐が何人もいらっしゃって店番と通販対応をしているという、なんとも謎で怪しげなお店です(失礼。

このお店は、バーアンテナだけではなく可変抵抗もアキバのパーツショップとは違う品揃えで、一般店舗では見かけない平型ボリュームについては小売用ではない組込用と思わしきラインナップが、しかも超小型のものが各種入手できます。

平型ボリュームは絶滅危惧種で、私も知っている限りラジオデパート2階の山王電子さん以外では見かけませんでしたからラジヲ中年としては大興奮です。謎多きエキサイティングなaitendoさんについては、別のエントリーで触れたいと思います。

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このお店で入手出来るモジュールには何種類かあって、外付けでコントロールユニットが必要なものと今回選択したコントロールユニットなしで半固定抵抗とアンテナ・スピーカー類の追加だけで使えるものがあります。前者は周波数表示ができたりボタンで自動選局ができたりしますが、今回は小型化が主旨なので後者にしています。

まずはケース実装前に動作確認と理屈を理解するために、ブレッドボードへ仮組みしました。あっさり動きまして、驚きなのは電界強度が低い自室でもバーアンテナ無しで中波の強い局が聞こえてしまうほどの感度でした。バーアンテナを追加すればさらに感度が上がりますが、これまで製作した個体とは違ってバーアンテナの向きで信号の強弱が出ないほどでした。

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今回のケースは、秋葉原ラジオデパート2階のケース屋さんで調達した、単四型電池2本ケース付きの小型ケースを使います。少しは余裕があるかとたかをくくっていたのですが、ご覧のように超小型ボリュームを駆使しても入りきるかどうかハラハラの状況でした。

中波バーアンテナは、大きいものを使おうかと思っていたのですがとても入らないので、手持ち在庫で最小だったPA-63R(インダクタンス360μH)を搭載。データーシートによるとこのチップではインダクタンスが350〜450μHのバーアンテナが使用できます。PA-63Rは2次コイルが無いゲルマニュームラジオ用ですが、このチップは一次側しか必要がないので問題ありません。

因みにチューニングは、電圧可変なのでポリバリコンではなくて可変抵抗(ボリューム)で対応します。これも小型化とコストダウンに貢献していますね。ポリバリコンは安いお店でも250円はしますし相場は300円台です。今回は、同じくaitendoさんで見つけた超小型可変抵抗の基板直付けタイプを採用、同じサイズでステレオ対応の2連もあったので助かります。

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仮組みしてみました。この画像の状態で見てフロントベゼルになる箇所ですが、バーアンテナの兼ね合いもあり付属のプラスチックパネルを使いたかったのですが板厚が厚くイヤホンジャックもLEDホルダーも実装できないほどだったので、手持ちのパンチングパネルに変更。

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また外装色がグレーでなんとも中途半端だったので、手持ちのマットブラックスプレーで塗色しておきました。画像では光の加減でシルバー?に見えますが、マットブラックです。最初は塗色が面倒に思いましたが、自作品のカスタム度が上がるので、やっぱり塗色して正解でした。

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完成しました。フロントベゼルのLEDは、左右の緑色がAM/FMのバンド表示(画像はAM受信状態)で中央の橙色はチューニングインジケーターです。いいですねぇ、アナログ回路では付けたくても簡単には付けられなかったチューニングインジケーターもさらりとチップの出力から取り出せます。

ポケットラジオでもスピーカー出力は付けたいといういつもの癖(苦笑 で、側面には27mm径小型スピーカー(なんとフォスター(Fostex)製です)を収めて、表面には安直にパンチングパネルで覆いをしました。側面のパンチングパネルにも赤あたりを塗色しようと思案しましたが、シルバーのままでもちょっぴりレトロなラジオな感じで麗しいですね。

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内部はこんな具合に。一番苦労したのは、電解コンデンサーのレイアウトですね。手持ちのできるだけ小型なものを用意しましたが、ギリギリでした。在庫しているのは耐圧25Vなので、ポケットラジオ用に耐圧10V位で小型なものを用意するべきでした。

また、LED部を甘く見ていました。出来上がって思ったのは、基板をフロントベゼル至近まで配置しておいて、LEDは基板直付けにすべきでした。基板直付けは小型化とケース加工簡便化にはかなり有用で、ボリュームとスライドスイッチは基板直付けにしておいて大正解でした。

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サイズ的には、iPhone6の縦方向が30mm短くなった位です。して完成後の受信能力ですが、自室では中波は単独で在京4局+AFNが聞こえはしましたが、ザァーと電子ノイズ?が派手に覆いかぶさっていてチップの至近にバーアンテナを置いた弊害かと焦りました。

しかし、屋外に出してみるとすっかりノイズが収まりました。どうやら、自室だと電界強度が弱いのでAGCがガッツリ効いてその結果ノイズも増幅してしまっていたようです。自室でもループアンテナを近づけるとノイズレベルはぐっと下がりました。有能なAGCとDSP回路ががんばった結果だったようです。

FMについては自室でも東京スカイツリーに基幹送信所がある局は、アンテナが無くても若干ノイズ混じりながら聞こえる程度。イヤホン端子のコールド側にチップのアンテナ端子をつないでおきましたので、イヤホンを繋げば充分実用レベルです。

シェイクダウンで1日色々試してみましたが、自室内では一番使えそうなのが中波放送のワイドFM波を聴く端末として使う用途でした。スカイツリーのワイドFM送信は確か各局7kWですが、自室ではJOAVよりも強く入館します。

今日のランニングでも使ってみましたが、中波でもワイドFM波でも移動していても一定の音量で聴き続けられて実に実用的でした。ただし、電界強度が確保できる環境でもSN比は悪くスピーカー聴取では気にならないのですがヘッドホンではかなり気になります。しかし、自室のシーンとした環境では気になるSN比の悪さですが、屋外使用では環境音のバックノイズで全く気になりませんでした。

19年前に入手した手持ちの市販ポケットラジオ(電子制御・ソニー製)と比べても、格段の感度と音質です。特に中波の感度は感度の増減が移動していても殆ど気にならないのと、音の厚みもあって随分聴きやすいです。たった680円(税抜)でこのモジュールが入手できてこの性能と自作では色々大変なFMが手に入るので、いい時代になりました。

携帯用に狭小ケースに実装できた時の達成感はなかなかなのもので、実装は大変でしたがノウハウも蓄積できたのでもう一作位はDSPラジオにチャレンジしてみたいと思います。


posted by ハリー伊藤 at 01:24| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ラジヲの製作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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