2007年05月07日

大阪 吹田にて

今日は、代休で引き続き神戸で朝を迎えた。
ゆっくり宿泊先のサウナで朝風呂を堪能後、正午に三ノ宮で
JS1BVK/3 山田さんに再会。

山田さんとは、私の結婚式以来ですから、なんと約7年半ぶりの再会です。
山田さんは、私にとって無線以外に、写真道の師匠であったりしまして、結婚式では
私のカメラ(ホントは山田さんに譲っていいただいた、独製のカメラ)でベストショットを
撮影していただいた時以来の再会、という訳でした。

ただ、山田さんとは、今のBLOGもそうですが、要所要所でメールなどで
連絡を取り合っていて久しぶりの感覚がなかったのが、実感です。

さて、今日は山田さんのご提案で、『アマチュア無線応援団 キャリブレーション』
ご存知、代表の児玉さんが、今準備されているハムのための集いの場へ連れて行って
いただけました。



大阪府吹田市の某所にあるこの場所、児玉さんの『夢』であった、
ハム仲間のコミュニティとして準備中の拠点とのことです。

皆様ご存知かとは思いますが、児玉さんは、ミズホ通信 高田さん、
FCZ研究所 大久保さんのリタイアメントからキット販売を受け継ぎ、
販売のご活動をされています。

風貌は失礼ながら、ちょっと知的な なぎら健壱 といった感じ(無礼をお許しください)
話しっぷりは、大阪のおっちゃん全開で、めっちゃパワフルでした。

G.W.明けには、オープン公開という予定だったこの場、諸般の事情でまだ準備中で
お邪魔した時も、ミーティング用スペースのカーペット張り作業中でした。
その手を休めていただいて、14時ごろから夕方まで、ハム談義とあいなりました。

結論から申しますと、多岐にわたるお話を聞かせていただき、非常に勉強になりました。
いくつか差し支えない範囲で、ご紹介しましょう。



(QROとQRP)

QRPは、弱い信号を取っていただける、耳の良い局の『相手』がいて
成り立つものであること。
QRPが、主旨ではなく、ストイックに我々が実験した結果、このパワーでも
ここまでできた、それには、コンタクトいただいた局があってこそ、です。

さきほど、/QRPを付けてコールするのは(場合によっては)愚である、
という論争が某サイトで活発に行われていました。

私もおそまきながら、この議論は拝見しましたが、今感じているのはやはり、
『相手あってこそ』だから、時と場合によっては、/QRPと付けないこともあるし、
QRPであったことを証明できるのは
貴方だけである、とカードにコメントされたDX局のお話をある方の
BLOGで拝見したことも頷けます。

児玉さんは、QRO経験があってこそ、QRPの手軽さと自作への道、交信できたときの
感激度が高まる、そんなお話をされていました。

山田さんも同じようなお話をされていました。
これは、私もこのBLOGを立ち上げる前から感じていたところです。
私は、QRO経験がないので、単に自作容易性とコストのやさしさから、
でしたが(苦笑


(キット用の部品入手難のお話)

FCZの収入源、コイルの入手難化についても話題に。
それよりも深刻なのは『バリコン』
なんでも、最近エアバリコンの入手性確保に苦心されているそうです。

エアバリコンの優位性は、安定性もさることながら、
空気がコンデンサにとってもっとも優れた素材であるところにあると、
帰路の車中で山田さんにも教えていただきました。

エアバリコン自体は、児玉さんによるとそれなりの入手ルートはまだ健在だそうです。
ただひとつの問題点は、エアバリコンの『羽』を抜く、職人のおじいさんが
肩を痛めていらっしゃるらしく
このおじいさんが、だましだまし作業されている羽抜きができなくなった時が、
エアバリコン入手の最後になるようだ、とのことです。


(JA○L支部の諸問題と、ジャンク出展のお話)

どことは書きませんが、某支部の残念な実態は、目を覆いたくなる様相だそうです。

一方、児玉さんがキャリブレーションの実利のためではなく、イベントの盛り上がりや
ジャンクで仲間がひろがることを目的に活動されている、ジャンク販売ツアー。

支部大会それぞれ、JA0とJA8以外は全て行脚されたそうです。
この2エリア訪問が実現できれば、ジャンク出展『AJD』達成なんだそうです(苦笑

某支部は、残念な実態がありながら、一方他の支部では、ジャンク市で支部大会が
盛り上がることに感謝されて、自ら汗を流して遠路からの出展者をねぎらってくださる
某支部の幹部の方など...

結果は、お金だけではなくて、ハムという趣味の仲間達の振興を
切に願っていらしゃるお気持ちを感じました。


(キット化と、開発者、初心者への橋渡しのお話)

児玉さんは、自分で設計ができるような技術力はないんだ、とおっしゃっていました。
ではなにをするのか。自作回路で、職人技のランド貼付法で様々なすばらしい自作を
される方々。こういった方々のすばらしい技術を、ハム・自作入門者の方へ
身近にチャレンジできる対象としてあげようというのが、児玉さんの活動です。

判りやすく言うと、すばらしい完全自作に対して、
『これをハンダ付けしやすい、大きな基板に設計を変えてキットにしませんか』
ということです。

もちろん、高周波の世界は、パターンを大きくとると、発振という問題があったり
ある開発者の方には、

『技術者は、より前へ進む技術革新をするのが使命』
『だから、小さく作るのはそれと同義だから、大きくとるのは意思に反する』

という、意思の戦いもあるようです。

なるほど、高田さんや大久保さんは、自ら設計されますから、
基板化も初心者にやさしく、再現性の高い実装を最初から心がけ
広いパターンで設計するなど、考慮が容易にできますが、
技術者という意思を汲みながら、より多くの方に広げていきたいという
児玉さんとの意思がどうマッチングしていくか、が大変なんですね。

山田さんも、『なるほど、まさに'キャリブレーション'なんですね』と、
児玉さんのご活動を感じていらっしゃいました。



さて、今回は一方的に大阪のおっちゃんのマシンガントークに(苦笑 
頷くだけの私でしたが、なんというか充足感でいっぱいでした。

まずは、児玉さんのトークの内容にちゃんとついていけたこと、
技術的話題については、チンプンカンプンな内容ではありませんでした。
そして、私が崇拝している高田さんや大久保さんとはまた違った苦心の中で、
いかに『多くのかたに楽しんでいただけるか』を追求する活動。

とてもデリケートな話題ですが、最後に興味深い話をひとつ。

アマチュア無線は、趣味の活動です。
アマチュアの草野球や、少年野球も『アマチュア、趣味の活動』です。
では、野球のグローブは、タダで手に入るのですか?
タダでなくても、使い勝手のいいグローブを手に入れるのに、
それなりの対価が必要ですよね。

中学生が小遣いをやりくりして入手できる、ミズホのQPシリーズ。
高田さんの原点にはこれがあるようです。
しかし現代、キットという、部品管理や入手性の継続、発送で骨が折れる業務
に対しての実情...
でも、その苦悩を乗り越えて、一人でも多くの方に電子工作を身近に感じて欲しい。
非常に難しいマッチング作業です。

昨日と今日は、私の中ではアマチュア無線一色の幸福な
休日を過ごすことができましたが
今日の話題は、興味深い話題ではありましたが、とても考えさせられる一面も。

Skype等のように確実な通信ではない、ひとつの通信分野というものに、自分が後進に何ができるか
ということが考えさせられた、興味深い一日でした。

児玉さんのジャンク市行脚、大変ですが興味深々です。
私自身、10年以上JA○L会員ですが、一度も支部大会はおろか総会も未経験です。
児玉さんとは、また接点を持ちたいと感じました。

残念なのは、私が関西在住でないこと。
でも、私の関東在住が力になれることがあれば、と思った一日でした。
posted by ハリー伊藤 at 23:47| 埼玉 ☔| Comment(8) | TrackBack(1) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ハリー伊藤さん、こんにちは。

今日はとても深い記事ですね。ゆっくりと時間をかけて読みました。

JS1BVK/3 山田さんともお会いされ、とても良い経験をされたようですね。

私も時々考えるのですが、今我々が自作やキットで楽しめることも、こうしてQRPで運用出来るのも、こうした道を切り開いてくれた先人の努力があったからですね。

キットや部品も通販で簡単に買えてしまい、見えないところで、どれだけの研究や苦労があったのかは解りませんし、あまり考えずに通り過ぎてしまいますね。

今はQRPもメジャーになりましたが、こうして皆がこういったスタイルがあると認知するに至るまでには、相当の研究や努力があったものと思います。いつかこうした歴史やキットや部品の開発秘話なども1冊の本になって出版されると良いなと思っています。

私もFT-817で開局してから半年もしないうちに50W運用をしました。初めのうちは飛びが良くなったような感じがしましたが、そのうち同じ50Wのローカル局がバンバンやっているのに、どうもウチのアンテナは飛びが悪い・・・ベランダだからしょうがない・・なんだかつまらなくってきた・・・もう無線を辞めよう・・。

・・・という感じで、しばらく無線機を触ることもない期間がありました。

でも、QRPでやろう・・と自分のスタイルをはっきりと決めたことによって、逆に面白さが解ってきましたね。競争とは無縁の共生の分野だな・・と思います。やはり受信してもらえるからこそ、自分もこうして楽しめるんだ・・という気持ちは忘れたくないです。

部品も手に入りにくいものが結構ありますね。真空管からトランジスタに変わっていったように、また違った技術にもチャレンジして、いつかは我々も「先輩」になるわけですから、新しい道を用意しておけるように、腕を磨いておきたいです。

ハリー伊藤さん、とても良い出張になりましたね。
Posted by JL8KUS/壺内 at 2007年05月08日 17:31
JL8KUS 壺内さん、こんばんは。

ひとり、楽しんで参りました(苦笑
最初のうちは、旅行気分で楽しかった出張も、
最近は遠距離移動時の体力消耗などがばかにならなくなり
出張が億劫になっていたところです。

実は、
JR3ELR/QRP 吉本さんの托鉢打鍵、ちょっと理解しがたい
ストイックさを感じていたのですが、
今回、一気に考えが変わりました。

『私も托鉢打鍵しよう』

面白いです。島にアクセスしやすいお客様を開拓せねば(笑

実は、壺内さんのお名前こそ出しませんでしたが
壺内さんのような活動をされている潜在ユーザがいそうだ
なんて話題もあがっていました。
SSTユーザが、一気にポリバリコンを買い漁るかも?なんて話題も(苦笑

一冊の本、ですか。
私はモノ書きの経験はありませんが、
モノを伝えたり、わかり易く伝えることが好きで、
ブログにはまっています。

崇拝する高田さん、大久保さんの取材をして、
一冊の本にまとめてみたいなぁ、なんて
壺内さんのコメントを拝見して感じました。

本という形にするのは、現代では出版社が絡まなくても
いくらでも手段があります。

う〜ん、DXペディショナーの夢に次ぎ、
やってみたいことが発生!
高田さん著『9R-59とTX-88A物語』CQ出版 を拝見したとき
とてもワクワクしました。

自費出版でもなく、商業出版でもなく、
やってみたいです。
ある意味、責任を伴わない、ずるい書籍編纂なので
ズルイことだとは思いますが。
Posted by ハリー伊藤 at 2007年05月08日 20:24
 今日は。
 “QRP”について・・・(^^;

 私が開局した頃は初級局は10Wが上限でした。従ってわざわざQRPとか言わなくても周辺は殆どQRP局ばかりだった訳です。
 その内パワー・アップ競争が始まり現在に至っている訳です。

 結局高出力なら飛ぶのは当然→お金持ちなら解決する問題、となった訳で、自作好きな私としては「身分相応な運用をしたい」から現状をやっている訳でして。

 真空管式なら100W以上を出せるものでも自作できますが僅か数Wでも飛ぶ、というのを実感してしまうと・・QRPって一種の中毒になるんですね。
 「あんたハイパワーなら飛ぶんだよ、アタリマエだろ?悔しかったら数Wでやってみな・・」って思う、つまり言いかえるとヒガミなのかも(^^;

 でも遠くと最低限度の出力で交信する、というのは好奇心を満たしてくれます。

 そう言えば数日前、OHR500とダイポール、7MHz・CWのいつもの組合せで、たてつづけにアメリカのアリゾナ州とネバダ州とできました。一人は900Wと3エレ八木(^^;との事。私の4W出力を喜んでくれました。ついでに何故かJCC番号まで聞かれました。
 こういう交信だと、とても嬉しいです。

 ま、趣味ですから高出力・大アンテナでガンガンDXを稼ぎだす、というアプローチも悪くは無いとは(少し)思いますけれど。

 田島 JA1XFA/QRP
Posted by 田島 JA1XFA/QRP at 2007年05月09日 08:25
JA1XFA/QRP 田島さん、こんにちは。

同感です。
高出力・巨大設備ならできてあたりまえになり、
飽きっぽい私は(苦笑 感動を覚えず
数百万円の設備もじき使わなくなりそうです。

もっとも、巨大タワーとアンテナにはあこがれますが
かないません(汗

やはり、私が開局当時ピコ21と、サガ電子のアローライン
という、短縮GPで、しかも平屋の屋根に上げたという悪条件でも
サイクル22のピーク直前では、日本国内はおろか
はるかロシア中部やインドネシア、フィリピンに
飛んでいったことの感動といったら、ありませんでした。

いまや、CWを覚え、自作アンテナで日本全国は軽々と
QSOできるなんて、本当に痛快です。

アリゾナとネバダ、しかもOHR500でというのは素晴らしいですね!
私も、こういう痛快な運用をしたいです。

今のところ、現在の設備できているのは
韓国だけですが。
Posted by ハリー伊藤 at 2007年05月09日 12:27
伊藤君,こんばんは.

電波と言うものが存在することが確認され,実験が繰り返され,実用性が証明されるまで,その担い手はアマチュアでした.その後の電波事情は国家権力との闘争でもありました.

一時的にせよ,完全に国家のものとなってしまった電波を,国民の側に取り返すために東奔西走して下さった先輩方が身近にいます.そうした先輩方のご尽力の上にアマチュア無線という制度ができ,電波で遊ぶことの自由を今僕たちは享受しているわけです.

さて,吉本さんの FT-817 はメインダイヤルのシャフトが折れたことがあるそうな.そりゃ八重洲もあんな使われ方をされるとは思いもしなかったでしょう.世界一過酷なランニングテストをやったのが吉本さんだ,とも言えると思います.

昨日久々に実家へ戻った帰りに,ハムジャーナル77号を持ち帰りました.児玉さんと話していたアンテナインピーダンス測定の特集記事が目を引きました.あれ〜?こんなタイムリーな本を持っていたとはなあ.と,思いました.ますますアンテナアナライザが欲しくなりました.それもデリカの AZ1-HF でなければダメですね.これさえあれば,アンテナ分析し放題.
Posted by JS1BVK/3 山田哲也 at 2007年05月09日 23:31
 今日は、山田様。

山田様 Wrote...
>こんなタイムリーな本を持っていたとはなあ.と,思いました.ますますアンテナアナライザが欲しくなりました.それもデリカの AZ1-HF でなければダメですね.これさえあれば,アンテナ分析し放題

 私のお勧めはW製のRF-1という手のひらに乗るアナライザ。
 これはHF用ですが、周波数源内蔵で二種類の測定値を自動切換えデジタル表示、L、C、Z、周波数、SWRまで直読できるスグレモノ。
 昔ハムフェアで14K位で購入しました。現在は日本通信エレクトリックで扱っていますが、少々値上がり(でも日本語マニュアル付き?)しているみたい。
 最近ではVCHアンテナ製作に活用しました。

 いずれにせよ一台欲しい測定器ですが、私なら最初に購入するなら、しっかりしたディップメータにします。

 田島JA1XFA/QRP
Posted by 田島 JA1XFA/QRP at 2007年05月10日 08:09
田島さん,こんにちは.

最初に買った測定器は勿論テスターでしたが,開局して10年ほど経った頃,どうしても入手しておかねばと思い購入したのがデリカのディップメータ(DMC-230S)でした.使いこなしているとはなかなか言えませんが,ようやく最近になってその便利さが理解できるようになりました.2度ほど修理にも出しましたので,比較的使用頻度も高いと思います.デリカの製品には故障したときの修理の確かさという安心があります.

Posted by JS1BVK/3 山田哲也 at 2007年05月10日 14:07
 今日は。山田様。

 私の最初の測定器はアナログ・テスターでした。
 分流器が燃えたり、目盛りの印刷が薄くなって来たり、と持ち主同様老朽化してきていますが、未だに愛用しています。
 その次はデリカ製真空管式の“ハムバンド用ディップメータ”を購入しました。もう40年近くも前の事です。
 外箱が少々錆びてきたのとACコードが劣化して固くなってきたので交換しましたが、故障もせず未だに活躍してくれています。
 デリカの他のものは“ミニブリッジ”があります。CQ誌の「限定生産」という広告を見て購入しました。これがあるおかげでQRPの愛機たちのオーディオ・フィルター製作が各段に楽になりました。
 外には、シンクロスコープ、テスター各種、SSG、ミリバルなどはジャンクを漁って何とか揃えていますので、一応のアナログ的な測定は可能です。
 また補助ツールとしてのパソコンの表計算ソフトは強力な武器になっています。画面が小さくて少々老眼にはツライのですが、HP-100LX内蔵の1−2−3を便利に活用していますよ。

 田島 JA1XFA/QRP
Posted by 田島 JA1XFA/QRP at 2007年05月13日 16:34
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